「じゃ、ちゃん後はよろしくね」

「うん」

「行ってくるアル〜」

「行ってらっしゃい」

「行ってきまーす」



新八君はお姉さんのところに

神楽ちゃんは散歩に




「行ってらっしゃい」

「おう」




銀ちゃんは…よくわからないけど、二人が出て行った後についてった。

万事屋に一人残された私は今から掃除を…


















 食べ物の恨みは末代まで祟られると思え




















と、思ったけど

せっかく誰も居ないのだから

チャンスです

何のチャンスかって?

それは………





「うふふ。確かここら辺にあったハズ…」


カサコソカサコソ

は上機嫌で棚を開け、中を探り始めた。



「あ、あったあった」


程なくして目的の物を手に掴んだ。

そして嬉しそうに、紙袋に入ったそれを取り出す。

中から取り出したもの、それは……









ただいま

「きゃ!?」


上機嫌で、しかも油断しきってた時に急に至近距離から声が聞こえて、

の身体がビクンと跳ね上がった。



え!?この部屋には自分一人だったはず…




ぐぎぎ…とぎこちなく首を後ろに向けると、さっき出てったハズの銀時が
何故か背後に立っていた







「え!?銀ちゃん、もう帰ってきたの!?早ッ」

「…いや、行ってらっしゃいって言われて、とりあえず出てったけど
結局何処に行けばいいか分かんなくて。帰ってきた」

「ふ、ふ〜ん」




スササと後ろでに、さっき取り出した物を隠す。

銀時にバレないように…







「…どうした?何かあったか?」


ドキィ!!!


「いや、別に………何モナイケド?



明らかにカタコト

明らかに視線を合わせようとしない態度…

は平静を保とうと、吹けもしない口笛を、ふひゅーふひゅーと吹きだした。

あからさまにおかしい。




「………あやしい」

「ぎくっ」

「俺の目を見ろ」

「きゃっ」



がっしりとの肩を掴んで、銀時は自分の方に引き寄せる。



「ち、近いって、銀ちゃんっ…かお…」

、俺の目を見て正直に言うんだ。…何を隠してる?」

「な…なにも隠してないもん…」




「…

「びくっ」



急に銀時が真剣な声音になるもんだから、つられて視線をそちらに向けてしまうと

目と目がばっちり合ってしまって、はこの上なく居た堪れない気持ちになった。



「ぎ、銀ちゃ…」

「口を割らないなら、割らせるしか方法はないよな」

「へ?……や、ヤダよぅ!何も隠してないしっ
別に皆が居ないうちに、一人で桂さんから貰ったお茶菓子を食べようだなんて思ってないもん!!」












「…ほぅ」

銀時は顎に手を当ててふーむと考える。

「そういえばそんな物もあったな…」

「ちょっ銀ちゃん何して…」

「確かここらへんに…」




そう言うと銀時はが後ろに隠した紙袋をひょいと取り上げ

中をガサゴソと漁りだした。





「あっ!!ちょっと銀ちゃん!?」






ガサゴソガサゴソ………パカ






「………………………ない」

「へ?」

一個も残ってないぞコラぁ…



わなわなと震えながらお菓子の缶の蓋を持っている銀時。



「!?だっ、だから私は食べてないって!てか何で分かったの!?エスパー??



自分で白状しちゃった事をまるで気付いていないをよそに

銀時は、ホシは分かっている…と静かに怒気を発していた。




「あいつか…」

「え?」

「あの……胃拡張娘の仕業かぁぁぁぁぁぁ!!!






















この後神楽ちゃんが帰ってきて、銀ちゃんが茶菓子の恨みを晴らそうとしたけど

逆に返り討ちにあったのは、いうまでもない…

…私が食べてなくて良かった…ボソ
















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短くを目指し、いろんな所を端折ったら
とんだ日常話になっちまいました…。
どうしてこう、最初の構想と違うものが出来てしまうのか…。
ここまで読んでくれたさん、ありがとうございました。

2004.9.30